北門笙のポエムの小径

Small Diameter Of Poem / Syo Kitakado

詩人 北門笙がお送りする「ポエムの小径」
人生の中で起こる1ページを言葉というメロディに乗せ、温かな慈しみをもって歌いあげます。
日曜日の夜は「ポエムの小径」でゆっくりお散歩を。
明日からの1週間、優しい気持ちですごせますように。

北門笙のポエムの小径

Small Diameter Of Poem / Syo Kitakado

詩人 北門笙がお送りする「ポエムの小径」
人生の中で起こる1ページを言葉というメロディに乗せ、温かな慈しみをもって歌いあげます。
日曜日の夜は「ポエムの小径」でゆっくりお散歩を。
明日からの1週間、優しい気持ちですごせますように。

ポエムの小径のご紹介

ポエムの小径のご紹介

動画再生

其の1、ひふみよ

良寛さまが詠んだ和歌がある。

子供を授からないという理由で、
嫁ぎ先から追い出された貞心尼(ていしんに)は、街中で良寛さまを見た。
そして、仏の道の教えを請いたいと、
手紙を送った。

動画再生

其の2、砂時計

白い砂が底に溜まると、
逆さまにして、またひっくり返す。

どちらが上でどちらが下か、
当てどない繰り返しには、
最初から時間を測る意志など
込められてはいない。

動画再生

其の3、水平線

晴れた日に海を眺めていると、空との境界線が円弧を描いているのが良くわかる。

いつも不思議なのは、
水平線が私と同じ目線と同じくらいの高さに
横たわっていることだ。

 

動画再生

其の1、ひふみよ

良寛さまが詠んだ和歌がある。

子供を授からないという理由で、
嫁ぎ先から追い出された
貞心尼(ていしんに)は、
街中で良寛さまを見た。
そして、仏の道の教えを請いたいと、
手紙を送った。

動画再生

其の2、砂時計

白い砂が底に溜まると、
逆さまにして、またひっくり返す。

どちらが上でどちらが下か、
当てどない繰り返しには、
最初から時間を測る意志など
込められてはいない。

動画再生

其の3、水平線

晴れた日に海を眺めていると、空との境界線が円弧を描いているのが良くわかる。

いつも不思議なのは、
水平線が私と同じ目線と同じくらいの高さに横たわっていることだ。

動画再生

其の4、あんふぃに

中学生の時、鬼岩公園という
不気味な名前の小峡谷で遭難した。

川沿いの岩穴をくぐっているうちに、
一緒にいた級友たちから独り離れてしまったのだ。

動画再生

其の5、蒼い月

湾を望む病院の一室から、
大きな青い月が海原を渡って行くのが
見える。

月の光は波と橋を照らし、船を揺らし、
さらに遠く半島の先に灯
る温泉街をも
煙らしている。

動画再生

其の6、月の岬

千年前の平安時代に書かれた
更級日記の一節に竹芝伝説がある。

武蔵ノ国から京都御所へ派遣された
衛士(えじ)の男に、あろう
ことか
帝(みかど)の娘が心を寄せた。

動画再生

其の4、あんふぃに

中学生の時、鬼岩公園という
不気味な名前の小峡谷で遭難した。

川沿いの岩穴をくぐっているうちに、
一緒にいた級友たちから独り離れてしまったのだ。

動画再生

其の5、蒼い月

湾を望む病院の一室から、
大きな青い月が海原を渡って行くのが
見える。

月の光は波と橋を照らし、船を揺らし、
さらに遠く半島の先に灯
る温泉街をも
煙らしている。

動画再生

其の6、月の岬

千年前の平安時代に書かれた
更級日記の一節に竹芝伝説がある。

武蔵ノ国から京都御所へ派遣された
衛士(えじ)の男に、あろう
ことか
帝(みかど)の娘が心を寄せた。

動画再生

其の7、秋のゆりかご

昼間に見る金色ではなく、
銀色の波頭がうねりなが
ら風に靡いている。

波の砕け散る音も、風の戦慄きも聞こえず、
スロー
モーションを見るように
時間が止められた……まさ
に異次元空間。

動画再生

其の8、天窓

ひょっとすると、この窓は空につながる入口で、誰にも見えない透明なエレベーターが、
クリスタルの柱のように
まっす
ぐ立ち昇っているのでは……。

空想は止まるところがなかった。

動画再生

其の9、いのちの樹

最初の子供ができた時、
妻の母に言われた言葉を胸に刻ん
でいる。

「赤ちゃんができたのは神様からの授かりもの、でも産まれた後は天からの預かりものよ」

生まれて来たこと自体が素晴らしいと、
感謝の気持ちで、
毎日を生きたい。

動画再生

其の7、秋のゆりかご

昼間に見る金色ではなく、
銀色の波頭がうねりなが
ら風に靡いている。

波の砕け散る音も、風の戦慄きも聞こえず、
スロー
モーションを見るように
時間が止められた……まさ
に異次元空間。

動画再生

其の8、天窓

ひょっとすると、
この窓は空につながる入口で、
誰にも見え
ない透明なエレベーターが、
クリスタルの柱のように
まっす
ぐ立ち昇っているのでは……。

空想は止まるところがなかった。

動画再生

其の9、いのちの樹

最初の子供ができた時、
妻の母に言われた言葉を胸に刻ん
でいる。

「赤ちゃんができたのは神様からの授かりもの、でも産まれた後は天からの預かりものよ」

生まれて来たこと自体が素晴らしいと、
感謝の気持ちで、
毎日を生きたい。

動画再生

其の10、雨がお化粧したくて

都会の喧騒を抜け出すように、
偶に出掛ける森がある。
そこは、白樺だけが群生している。

葉は春夏、青々と茂り、秋は薄黄色に染まり、
冬は落葉するが、幹は一年中まっ白なままだ。

森の中に一歩足を踏み入れると、
いつしか気持ちが落ち着いて来る。

動画再生

其の11、ふるいギター

映画『禁じられた遊び』
――第二次大戦の最中、親を失った少女が、
死んだ仔犬を
抱いてパリ郊外を彷徨う。

出会った少年の家に養われ、
二人で始めた「お墓遊び」。

親の死を弔う身代わりに、
犬や昆虫や小動物の死骸を
集めて、
お墓作りに夢中になる。

動画再生

其の12、ちいさな灯

深夜、漸く一日の仕事を終えて
オフィスのドアを閉
めようとした時、
小さな緑色の灯りに気付いた。

コピー機を消し忘れていた。

室内を見渡すと、
壁掛け時計の針も蛍光色を放って
いる。
微かに秒を刻む音さえ聞こえてくる。

動画再生

其の10、雨がお化粧したくて

都会の喧騒を抜け出すように、
偶に出掛ける森がある。
そこは、白樺だけが群生している。

葉は春夏、青々と茂り、
秋は薄黄色に染まり、冬は落葉するが、
幹は一年中まっ白なままだ。

森の中に一歩足を踏み入れると、
いつしか気持ちが落ち着いて来る。

動画再生

其の11、ふるいギター

映画『禁じられた遊び』
――第二次大戦の最中、
親を失った少女が、死んだ仔犬を
抱いて
パリ郊外を彷徨う。

出会った少年の家に養われ、
二人で始めた「お墓遊び」。

親の死を弔う身代わりに、
犬や昆虫や小動物の死骸を
集めて、
お墓作りに夢中になる。

動画再生

其の12、ちいさな灯

深夜、漸く一日の仕事を終えて
オフィスのドアを閉
めようとした時、
小さな緑色の灯りに気付いた。

コピー機を消し忘れていた。

室内を見渡すと、
壁掛け時計の針も蛍光色を放って
いる。
微かに秒を刻む音さえ聞こえてくる。

北門 笙 プロフィール

1953年名古屋市生まれ。  
幼少時から作文や詩作に親しみ、学生時代は萩原朔太郎、西脇順三郎ら現代詩人に影響を受ける。  
金融界に身を置く中、 不惑の年を迎えた時に歌の世界に出合い、詩作を再開。  
現在は、オペラの普及活動をライフワークにしながら、心癒される大人のための子守唄を求めて詩の創作を続けている。  
著書に、詩集『ひふみよ』(ポプラ社)、絵本『松の子 ピノ』(小学館)、詩集『失うことの意味』『ふたつなき道』(小学館 スクウェア)がある。

北門 笙 プロフィール

1953年名古屋市生まれ。  
幼少時から作文や詩作に親しみ、学生時代は萩原朔太郎、西脇順三郎ら現代詩人に影響を受ける。  
金融界に身を置く中、 不惑の年を迎えた時に歌の世界に出合い、詩作を再開。  
現在は、オペラの普及活動をライフワークにしながら、心癒される大人のための子守唄を求めて詩の創作を続けている。  
著書に、詩集『ひふみよ』(ポプラ社)、絵本『松の子 ピノ』(小学館)、詩集『失うことの意味』『ふたつなき道』(小学館 スクウェア)がある。