スペシャルインタビュー
社員と共に未来を語る物流経営者
株式会社関本商事
代表取締役
関本和人 氏
Interviewer
一般社団法人 ヘルスサポート
代表理事
織戸 啓 氏
本日は、㈱関本商事 代表取締役の関本 和人さんへのインタビューをさせて頂きます。
関本社長のご経歴を教えて下さい。
私は、1967年、愛媛県の北条生まれ、小さい頃は転勤族だった父の影響で引越しばかりしていました。
高卒で地元大阪枚方市の運送会社に就職、1年半後に佐川急便に転職しました。 23歳で結婚し27歳で佐川急便大阪営業所から、三重県の名張営業所に希望で転勤しました。
希望転勤の理由は、大阪で家を購入しようと思った時に、友達が良い物件あるから、まあ1回見においでと言われて行ったのが名張でした。大阪やったら、3階建てのガレージが1階にあって、2階、3階が住まいっていう家が、3500万とか、4000万で売ってたのが、 見学したのは一軒家で、庭付きガレージ付き2階建という、夢のようなマイホームな訳ですわ、大阪からしたら、まあ実家もマンションだったんで、憧れっていうのもあったし、もう、それ見た瞬間に、もう、大阪で買うのは辞めよう、すぐ会社の方に、転勤の依頼をし27の時に三重県に名張市に来て、32歳の秋まで佐川急便で働いてました。
32歳の秋までということは?
退職理由があって、今で言うパワハラを受けました。やった方ちゃいますよ、受けた方ですよ。
1年ぐらい、 結構長いことパワハラ受けてました。
月日が経つにつれて、どんどんハラスメントがエスカレートしてきました。
その頃の時代って当たり前なんやけど、その当たり前がきつ過ぎて、とうとう退職という苦渋の選択をしました。
なるほど辛い期間を経て不本意な退職をされたんですね
そして運送会社設立をされたわけですけども、経営者になると決めたポイントをお聞かせください。
まあ、子供3人の家族を守るため自分でできることって何があるかなって言うたら、トラックに乗ること、荷物を運ぶことしかなかった訳です。
最初は、友達の紹介である運送会社の下請けでトラックを乗って仕事をもらってました。
最初は、友達から借りたトラック1台からですね。
その後、中古トラックをまず1台最初に買って、まー自分の第1号トラックで、仕事をやり出したっていうような感じになりました。
そっから1年ぐらい経ったら、佐川時代の仲間が一緒に仕事したいと連絡があり、車1台また増やして、その後は別のところからも声かかった人が入ってきたりとかで4台ぐらい車両が1年、2年の間で揃ろいました。
佐川急便で嫌な思いはしましたけど、今あるのはその人のおかげですね。
関本社長の人徳、素晴らしいですね。
そんな嬉しい仲間が増え、今現在は40名を超え大きく発展されましたが、物流企業経営者として一番大切にしていることは何でしょうか?
ま、あのパワハラある意味そうですね。
嫁も嫌やったらやめたらええやんぐらいのことは言うてくれたんで自営の道を選び2年後、2002年に34歳で会社を設立しました。
会社設立してから、台数が増えたんで、えー安い仕事もやれば、やっぱりそこそこの仕事もやらしてもらっていました。 必死になって荷物をこなしていましたが無理に重量オーバー・過積載違反やって営業停止にでもなったら偉いことです。
会社もなくなるし、お客さんの信用も失ってしまうんで、ちゃんとしていこうっていう風に気持ちを持っていました。
その辺が、まー会社設立して、一番会社を大事にしていこうっていう考えになりましたね。
設立の時点では、生活のためしかなかったですね。
それが、やっていくうちに、企業理念ができ社員を大切にっていう思いが出てきたのは、2008年リーマンショックの厳しい時期をみんなで乗り越えてからです。
リーマンショックなって、売り上げ、よっしゃもうすぐ3億やって言うときに、あの、一気にもう半減しました、1億ぐらい下がりました。
今まで応援 っていうか協力してくれた業者さんとかをもう断っていかなあかんような状況で、それでも自分ところの利益が出んかった。
初めて運転資金で借り入れせなあかんなっていうような状況になったりとかっていうのは、ちょうどリーマンショック、40歳の頃でした。
それで今現在、経営者として今現在、一番大切にしてるものはやっぱドライバーです。
ほんで、ドライバーの健康っていう部分をやっぱり一番大事にしたいので「健康経営」を取り組んだわけです。
トラック事故は本当に気を使っています。
飲酒であったりとか、点検であったりとかっていうのは、もうだいぶ今、ほぼ100パーセントに近いぐらいはやっています。
健康起因っ事故の脳・血管疾患・心疾患により急な体調変化で、あの、ノーブレーキで突っ込んでいくのがほとんどですから、やっぱり年に2回の健康診断じゃなく、毎日毎日の、スマートパルスが大事だと思いますね。
織戸さんに薦めてもらった「スマート事故防止システム」は良いと思います。
ありがとうございます。お役に立てて嬉しいです。
さて時代の嵐を乗り越えられたわけですが、今また物流業界では「2024年問題」という嵐が近づいています。
「物流クライシス」という言葉も出ていますが関本商事さんではどのような対策をしていますか?
周りの皆さんが抱えてる2024年問題っていう部分で頭抱えてる部分は、うちの方としては、クリアできてるかなっていうような感じです。
2024年問題は今から4年ぐらい前から言い出して、5年後の2024年問題、2024年には労働時間がこうですよとか、
残業はやったらあかんとかっていうことを言ってたわけじゃないですか。最初はそんなん、うちらも長距離も行ってる車両もあったし、 まだそんなん考えられてなかったような状況やったんで、まあ無理やなっていうぐらいのことでした。
しかし、国が政策として出してる以上は、必ずやらなあかんと思い、それぐらいの時から、長距離便をどうしていくか整理しながらずっと考えて動いてましたね。
残業時間減るっていうことは、荷物を配達する時間が減るから売り上げ減ります。
今のところ売り上げ自体は、あのコロナもありましたけど、ずっと増えてます。
うちでは、通常の自社トラック便と、協力会社のトラックと、倉庫っていう3本柱でやっています。
倉庫事業への投資が功を奏して、伸びています。
ここの本社新社屋を立てたのは今から、もう5年前です。
そのタイミング良く、新たな仕事が入ってきて、その1つの仕事をお客さんから全部任せられたっていう部分も大きかったし、まあ、芸濃営業所の倉庫の方と、去年立てた新倉庫とで今は、売り上げも、助けられています。
預かり入出庫の作業っていう部分が入ってきたんで2024年問題で、時間でできない部分を補填できています。
だから、ドライバーの給料は去年もあげました。来年4月以降もドライバーさんの給料は、ある意味新たな事業てカバーできました。
物流だけじゃなく、倉庫業で、やっぱ運ぶだけでは、うん、限界があるかなと思うんですよ。
「2020年問題」は事前対応で、このまま行けばクリアできるかなっていうのはありますね
物流トラックだけにもししがみついてたら、大変なことになってましたね。
わかりました。今度はプライベートの方でお聞きします。
ビジネスで、大成功したけど家族喧嘩ばっかりでバラバラではいけませんし、家族仲良く健康だけど、いつも事業が運転資金に困ってるでもダメなので、「幸せ」ってビジネスとプライベートのバランスだと思います。
社長は、事業は順調のようですがご家族では、何を、どんなことを大事にしていますか?
子供はもうみんな、結婚もして手が離れました。
1番下の娘の旦那は、7月から入社します。
何がっていうのは特にないけど、うん、まあ、なんかなるようにして、なんとなくそういう風になってきたかな。
奥さんは奥さんで、それぞれがあんまり深く干渉せずお互いの時間を楽しんでいます。
関本社長の楽しみ・趣味の釣りのお話しなどを聞かせてください。
釣りの方はねえー、もうかれこれ20年ぐらいなるかな。
最初は、釣り堀からスタートしてある時、社員が船に乗って“あおりイカ”釣りしに行こうと誘われ、たまたま船舶の免許持ってたんで釣り堀を卒業して船釣りに変更し、最初はレンタルボートでしたが自船を持つようになりました。最近ほぼ毎週っていうぐらい沖の方行ってマグロ・カジキとか大物を狙ってます。
趣味は釣りとゴルフです。
ゴルフはまだ1年半でスコアはまだまだです。
ゴルフは、得意先さんとのお付き合いですか?
いいえ、同業者で接待って言うよりも気軽に楽しんでいます。
本日は関本社長が頑張って来られたことや御社の強みをお話していただきましたが、最後の質問です。
会社で実践している健康経営について、今後取り組みたいこと、これからはこれを重点的と言うのをお聞かせください。
今現在は、「スマート事故防止システム」スマートパルスの活用であったりとか、ドライバーの、睡眠時間の管理であったりとか、労働時間の問題ですよね。
ドライバーが気持ちよくやってくれるように今後もそれを継続し続けていきたいっていう風には思ってます。
関本社長、本日は、大変興味深く、ためになるお話を聞かせて頂き、誠にありがとうございました。
株式会社関本商事について
初めてお会いした時から温かいお人柄が伝わりました。
ホームページにも社員の「ご家族の皆様へ」というバナーがあります。
社員を大切にしたいという思いでJHCのマイスター講座も担当者に受講していただき「真の健康経営」にも取り組んで素晴らしい有言実行の経営者です。
会社概要
会社名 | 株式会社関本商事 |
代表者名 | 関本和人 |
所在地 | 三重県伊賀市西之澤1428-1 |
創業 | 平成14年12月 |
事業内容 | ・一般貨物自動車運送業 中運自貨430号 ・大手運送会社集配業務 ・幹線道路輸送 ・一般貸切便 ・混載便 ・貸倉庫 ・物流業務の一式請負 ・特定労働者派遣事業 〔特24-301324〕 ・産業廃棄物収集運搬業 許可番号 三重県 0204874510号 和歌山県 0300074510号 ・宅配事業(個人事業主大募集) |
企業理念 | 関本商事は、「安全・迅速、丁寧に」をモットーに、運送だけでなく、在庫管理、お客様の運送分野すべてのアウトソーシングをおまかせいただける総合物流企業として、物流のあらゆるニーズにお応えしてまいります。関本商事は、「安全・迅速、丁寧に」をモットーに、運送だけでなく、在庫管理、お客様の運送分野すべてのアウトソーシングをおまかせいただける総合物流企業として、物流のあらゆるニーズにお応えしてまいります。 |
おわりに
成功・発展の前に大変な事がいろいろあり人情豊かなお人柄の背景をお聞きする事ができました。今後ますます社員とともに関本商事様に縁ある皆様が仕事を通じて幸せになられると感じました。
私もその一人でありたいと願いつつ本気でサポートさせていただきます。
本日はありがとうございました。
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